しまつの部屋

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【テキスト】茶をシバく

中学3年の時に社会科の新しい男性教師が赴任してきた。

彼は大阪の中学校から転任してきたという。


出身は関西圏ではないらしいが、長い関西生活で身についたらしく、ばりばり関西弁を喋る人だった。

 

自分がいたクラスの社会科も彼が持っていたのだが、いかんせんおしゃべりが好きで、たまに雑談だけで授業の時間の半分以上を消費することもあった。
まぁこれに関しては生徒側からしたら嬉しい部分でもあったが。

 

「豆乳を買いすぎて腐らせた」みたいなクソしょうもない話もあったが、基本的にはベシャリがうまく、私を始め生徒達は彼の話を楽しく聞いていた。

 

その中に大阪時代の話が入ってくることもあり、当時田舎という狭いコミュニティに所属していた私は目をキラキラさせその話を聞いていた。

そんな大阪時代の話の中で個人的に特に印象に残っている話がある。


「大阪時代、生徒に『シバくぞ』って言われたことがあるんよ。」

 


シ、シバくだって…

シバくってあの「ボコボコにする」みたいな意味の言葉でしょ…
ま、まさか先生、生徒にボッコボコにされたんすか…
関西こえ〜…

 

「シバく」の語源はサンスクリットの神「シヴァ」からきていると信じて疑わなかった当時の私は震えながらその話を聞いていたが、彼は続いてこのように説明してくれた。

 

「関西では『茶を飲む』ことを『茶をシバく』って言うんよ。」

 

なるほど。
そういう方言みたいなもんなんすね。

 

今思えば当然地域によって言葉の違いとかあるんだろうとは思うが、当時はそんな感じで納得していた。

なんならもはや彼の話によって私の関西人のイメージが形成されたといっても過言ではない。

この茶をシバく話の他に「大阪の中学ではバイクで廊下を走る奴がいる」という話を聞いたが、今でも大阪の中学はそうなんだと私は信じて疑っていない。

 

 

それから時は流れ現在、大学を卒業し社会人になった。

大学に入ったり社会に出たりすると様々な地域の出身者と出会うことも多く、その中には当然関西圏の人も何人かいる。

 

 何かしらの機会で関西出身の人間に会う度に「今度茶ーでもシバきません?」などと言ってみているのだが、反応は決まっていつもこうだ。

 

 

 

 

 

 

「シバくぞ。」